まいにち、納豆

 

 ほぼ毎日納豆を食べています。納豆が好きというのもありますが、食が細いので栄養不足にならないように、「とりあえず納豆食べとけばいいや」という気持ちもあります。そんな納豆の成分について調べてみました。

 

納豆と言えばコレという成分たち

ポリグルタミン酸

納豆のねばねばを作っている成分です。発酵食品の中でも納豆に多く存在し、血糖値制御に関与しています。カルシウムの吸収を助ける働きもあります。水分保持力が高く、化粧品などにも使われています。

 

ナットウキナーゼ

たんぱく質分解酵素で、発酵過程で生成されます。血栓の元となるたんぱく質を溶解する作用があることがわかっています。後記の栄養素にあるビタミンKとは逆の働きをします。熱に弱く、50℃以上で活性が低下してしまいます。ほかほかのごはんに乗せていただく程度なら大丈夫だそうです。

 

ポリアミン

細胞分裂に重要な役割をになう成分で、母乳にも多く含まれています。ポリアミンがないと、細胞分裂や増殖は行えないそうです。血管内の炎症の予防も期待されています。加齢により体内で作られる量が減少することがわかっていて、老化と深くかかわる成分のようです。吸収されやすいので、積極的に食品から摂りたい成分です。

 

大豆イソフラボン

大豆等に含まれる、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きがある成分です。更年期障害の症状の緩和に役立つを言われています。骨粗鬆症の予防効果も期待されています。発酵することで、吸収しやすい形に変わります。

 

 

納豆に含まれる栄養素

1パックを45gとした時のおよその数値です。(1g=100万μg)

三大栄養素と食物繊維
  • たんぱく質 7.4g
  • 脂質 4.5g
  • 炭水化物 5.4g
  • 食物繊維 3.02g
ビタミン
  • ビタミンE 0.23mg
  • ビタミンK 270μg
  • ビタミンB1 0.03mg
  • ビタミンB2 0.25mg
  • ナイアシン 0.5mg
  • ビタミンB6 0.11mg
  • 葉酸 54μg
  • パントテン酸 1.62mg
  • ビオチン 8.19μg
ミネラル

(赤字は1パックで大人1日の必要量を満たしている成分)

 

各栄養素の働き

  • たんぱく質 筋肉・臓器・皮膚・毛髪などを作る。体の20%はたんぱく質でできている。エネルギーにもなる。摂りすぎると腎臓への負担が大きくなる。
  • 脂質 エネルギー源になる。臓器を保護したり、細胞膜を構成する。脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促す。摂りすぎると肥満や脂質異常症の原因になる。
  • 炭水化物 エネルギー源になる。
  • 食物繊維 腸内で分解され、ビフィズス菌などの善玉菌の餌になり、腸内環境の改善に役立つ。
  • ビタミンE 抗酸化作用がある。血行をよくする作用がある。
  • ビタミンK 血液の凝固作用に関係する。欠乏すると血が止まりにくくなる。血栓予防の薬を飲んでいる人は、注意が必要。骨の形成を助ける作用がある。
  • ビタミンB1 チアミンとも呼ばれる。糖質をエネルギーに変えるときに必要。
  • ビタミンB2 糖質・たんぱく質・脂質の代謝を助ける。皮膚・爪・髪などの再生に関与すると言われる。
  • ナイアシン 糖質・たんぱく質・脂質の代謝に関わる。循環系・消化系・神経系の働きを促進する。
  • ビタミンB6 たんぱく質代謝を助ける。免疫機能の働き、神経伝達物質の合成、ヘモグロビンの合成、皮膚の抵抗力の増進、脂質の代謝等に関与している。
  • 葉酸 たんぱく質の合成、細胞増殖に必要なDNAの合成に関与し、細胞の生産や再生を助ける。B12とともに赤血球の生産を助ける。
  • パントテン酸 糖質・脂質・たんぱく質代謝を助ける。
  • ビオチン 糖質・脂質・たんぱく質代謝を助ける。皮膚の機能を保持する。
  • ナトリウム 体内の水分・ミネラルなどのバランスを保つ。血圧を調節する。筋肉の収縮・神経の情報伝達・栄養素の吸収にも関与している。摂りすぎると、高血圧やむくみ等の原因になる。
  • カリウム ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持・調整する。筋肉の収縮、神経情報伝達を助ける。体内に蓄積する(濃度が上がる)と不整脈を起こすことがあるので、腎臓に障害がある場合は注意が必要。
  • カルシウム 骨や歯の主要な構成成分。筋肉の収縮を助ける。血液の凝固作用を促す。
  • マグネシウム リン・カルシウムとともに骨を形成する。筋肉の収縮、神経情報の伝達、体温・血圧の調整に関わる。
  • リン カルシウム・マグネシウムととも骨や歯を形成する。代謝や神経情報の伝達にも関与。
  •  赤血球をつくるヘモグロビンを構成成分として働く。
  • 亜鉛 味覚を正常に保つ。細胞の生まれ変わりに必要。免疫機能を活性化させる。
  •  ヘモグロビンの合成を助ける。免疫効果を高めるのに役立つ。体内の酵素の成分になる。
  • セレン 酵素たんぱく質の一部を構成する。抗酸化酵素の活性化を助ける。摂りすぎると中毒をおこすので注意が必要。
  • クロム 炭水化物や脂質の代謝を助ける。過剰摂取は中毒を起こすので注意が必要。
  • モリブデン 体内での代謝や体に入った有害物質を分解する酵素の成分として必須な微量元素。肝臓・腎臓・皮膚・骨などに分布する。鉄分の利用を促進し、貧血の防止も期待される。

 

調べていくと、びっくりするほど働き者な納豆でした。おいしいだけじゃないんですね。ただ、中には摂りすぎないほうがいいものも含まれているので、1日1パックくらいがいいようです。