知識ゼロで株を買った話

どうして株を買ったのか

すでにバブルは崩壊し、ITバブルも崩壊した頃のお話です。まだ、老後のことなど全く考える気配すらない頃です。自宅住みでブランドものにも興味がなく、買うものといえばバーゲンの服とかドラックストアの化粧品とか、本、CD、キャラクターグッズくらいなので、収入はバブル期も普通だったけれど貯金はできていました。パリピでもなかったので。大きな買い物はオーディオ関係とパソコンくらいだったかなと思います。

そんな普通の勤め人が、景気が下降線の時に、なんで株なんか買ったのか。トレーダーになりたかったからじゃありません。

株を買ったのは、切符が欲しかったからです。

普段利用している電車の車内広告に、自社の株主優待の広告がありました。確か1000株以上の株主には、株主優待として全区間利用できる切符を何枚か進呈しますみたいなやつ。なんかね、欲しくなっちゃったんですよね。その切符が。

その会社の当時の株価は、400円くらいで、1000株だったら40万円ほど必要です。家に数万円は入れていましたが、自分の収入で生活するということをしていなかったので、貯金の中から40万円出すことに躊躇がなかったんですよね。経済の知識もなかったので、バブル崩壊だのITバブル崩壊だのは、ニュースの中のことと思っていました。

とっても能天気です。

で、頭がお花畑な私は、さっそくネットでぽちぽちして証券口座を作り、お目当ての電鉄会社株を購入したんです。わーい。

 

持ち株が増えていく

ネットで株を購入すると、当たり前ですが他の会社の株も目に入ってくるわけです。証券会社のサイトでは、株主優待で検索できたりするので、まだ貯金に余裕があった私は、いくつか買ってしまうんですね。50万のバッグを買うとなれば考えますが(いや、買わんけど)、株だとなんだか平気だったんです。

さすがに貯金を使い切るほど馬鹿ではなかったので、ちょっと証券口座がにぎわってきた感じでやめて、あとはそのままです。株価が上がったら売ろうという考えはなかったんです。もともと株主優待目当てだったわけだし、トレーダーという人たちがいるのは知っていましたが、普通の株主って株を保有してるもんだと思ってもいました。

 

持ち株たちがすくすく育つ

証券口座は、1日1回見るかどうかという感じでした。今日は元気だったかなぁと覗いてみるみたいな感じ。株価が下がっていれば、今日は調子悪かったんだね、みたいな。ほとんどたまごっち状態です。

バブルがはじけたと言っても、まだずんどこの低迷状態ではなかったので、株たちはすくすく育ちます。いつのまにか、持ち株の総額が購入時の倍くらいになっていました。さすがにそれを見たときは、ちょっとざわつきましたが、売ろうとは思わなかったんです。まだ上がると思ったからではなくて、差益で稼ごうという考えにならなかったんですよね。売っておけばよかったなぁ・・・。

 

株価がどんどん下がる

すくすく育ったのもつかのまでした。能天気な人でも感じ取れるくらいに景気が低迷していき、株価はどんどん下がっていきました。それでも、倒産しなければいいやくらいに思っていたんです。ところが、持ち株の中のひとつが破綻してしまい、さすがに慌てました。売買停止中の文字に呆然としたのを覚えてします。それをきっかけに、ようやく株を売却しようと思い始めます。遅いですね。

ただ、ラッキーだったのは、破綻した会社以外は、ほとんど育つ前の、つまり購入時の価格あたりで売却できたことです。

 

今も保有している株のこと

慌てて投げ売りしましたが、ひとつだけ今も保有している株式があります。株価はさがったものの、堅実な会社のようでもあり、配当が続いていたので売らなかったのです。現在も購入した株価には戻ってはいないけれど、配当は続いています。

今回、能天気な株主のことを書こうと思い、改めて今までの配当について調べてみました。最初からのデータがみつからなかったので正確ではないですが、資料があった14年分の配当金を合計すると、税抜きで80万円をこえました。びっくりです。株価が下がってマイナスになった分を補っておつりがけっこうきます。

 

景気がよくても悪くても、堅実な会社なのかどうか見極めることができるなら、株も資産のひとつとしていいんだろうなと思います。自分は見極められないので、これから株を買うことはありませんが、もしも、今から株を持ってみようかと思っている人がいたら、配当をチェック項目にするものいいのかなと思います。