気になる日本語
お仕事のときの日本語が気になる
仕事をしていると、お客様と電話で話すことが多いと思います。外出すれば自分がお客様になることもあります。そんな時に使われる日本語がずっと前から気になっていました。気になる日本語の使い手をいくつかに分けて書いていこうと思います。
ふくろう系
業者さんとか金融関係の方と話しているときに、出没することが多いです。
「えー、こちらのほうですが、お客さまの署名のほうをいただきまして、利用開始のほうは翌営業日ですが、ご利用のほうができるようになりましたら、こちらのほうからご連絡のほう、させていただきます」
ホウホウホウホウ言っちゃってます。もうホウホウにが気になって、話の内容が入ってきません。なんでこんなに「ほう」が入ってしまうんでしょうか。この2文字の間に、次に言うことを考えているんでしょうか。不思議です。
変身系
これは物販や飲食業でよくみかけます。
「お待たせいたしました。カルボナーラになります」
なります宣言。カルボナーラに変身しちゃう系です。
「カルボナーラを持ってきたよ」と言いたいのなら、「カルボナーラをお持ちいたしました」でいいと思います。「カルボナーラだよ」と言いたいのなら、「カルボナーラでございます」でいいんじゃないでしょうか。どうしてこんな言い回しが生まれたのか、こちらも不思議です。
もらう系A
電話の応対でよくみかける種類です。
「お電話番号を頂戴できますでしょうか」
いやいや、もらわないだろう。名刺じゃないんだから。
「電話番号を教えてね」と言いたいんだから、「お電話番号をお伺いできますか?」とか、「お電話番号をお聞きしてもよろしいですか?」とか、そのまんまの言い方でいいと思うんです。こちらは、かなり増殖しているので、もうこの言い方が普通になってきている気もします。
もらう系B
こちらも電話応対でよくあります。
「賜ります」
これは「承る」と間違えているのかもしれません。音は似ていますが全然違う意味です。「賜る(給わる)」は目上の人から何かもらうことをいう言葉で、引き受けるという意味でないですね。
「私がやります」と言いたいなら、「承ります」でいい。
伝言を頼まれた時に起こりがちですから、「お伺いいたします」でもいいと思います。伝言は、お預かりするもので、いただくものではないです。
言葉は生き物
いろいろ物申してしまいましたが、言葉というのは大勢の人たちが常に使っているもので、変化していくのは仕方がないとは思うのです。環境が変わって、経済が変わって、食べるものが変わって、着るものも変わっていく。その中で常に使われている「言葉」ですから、変化していくのは当たり前なのかもしれません。だから、気になっても、いちいち指摘するようなことはしません。今はもう、私が違和感を感じている言い回しが主流なのかもしれないですし。
とは言っても、ふくろう系だけはどうしても気持ち悪いんですよね・・・。