偏頭痛のための薬

 

頭痛との長いお付き合い

小学校にあがる前から頭痛がおきることが多く、鎮痛剤を手放せない状態で過ごしてきました。高校生くらいからは、いわゆる偏頭痛の症状が強くなり、悪化させてしまうと吐き気がひどくなって水を飲んでも吐いてしまうような状態になりました。食事などはもちろん摂ることができませんし、もう寝ているしかないのです。そんなふうに寝たきりの時間を過ごしていると、自分のポンコツ加減に悲しくなってくるのです。

ですが、10年ほど前に偏頭痛の治療薬に出会ってからは、ずいぶん楽になりました。頭痛がおこらないわけではないですが、かなり高い確率で寝たきりになる前にひっこんでくれるようになりました。私にとっては救世主である、偏頭痛の治療薬について書いておこうと思います。

 

偏頭痛のメカニズム

どのようにして痛みや吐き気がおこるのかは、専門家の間でもまだ確定してはいないのですが、どの説にも共通しているのが「血管の拡張による」ということのようです。拡張する原因や、きっかけになるもの、原因物質など、調べるといろいろな研究がされていますが、どれも「説」にとどまっている感じです。
血管の拡張によって起きるが、血管が拡張する原因は様々である、というところでしょうか。
原因と考えられているものは、血行がよくなるような行動(入浴、運動、マッサージなど)や、「アミン」という物質が含まれる食物(*後記参照)の摂取、気圧の変化、ストレスもしくはストレスからの過度なリラックスなどです。但し、いずれも未だ研究段階だと思ったほうがいいと思います。

*アミン(特にチラミン)を多く含む食品
赤ワイン、チーズ、チョコレート・ココアなどのカカオ製品、鶏の肝臓、にしん、たらこ等

 

偏頭痛治療薬の作用について

偏頭痛のための治療薬で、普通の解熱鎮痛剤とは全く違います。そもそも「痛み止め」ではないのです。広がった血管を収縮させ、その周りの炎症を抑える効果のあるお薬だそうです。解熱鎮痛剤とは違い、医師の処方箋がないと入手できません。
血管に作用する薬なので、脳血管に異常がある人や心臓の病気がある人は処方してもらえない可能性があります。私の場合は、事前に脳内のMRI検査をして、異常がないことを確認したうえで処方していただきました。
このことから考えると、この種の薬を飲むことは、少なからず血管や心臓に負担がかかるのだろうなと推測できます。私の場合は、副作用と偏頭痛のつらさを天秤にかけたら、迷いなく薬を使いますけど、多用しないようにしようとは思っています。高価でもありますし。

 

偏頭痛治療薬の種類(トリプタン系製剤)

イミグラン(後発品:スマトリプタン)、ゾーミック(後発品:ゾルミトリプタン)、レルパックス(後発品:エレトリプタン)、マクサルト(後発品:リザトリプタン)、アマージ(後発品:ナラトリプタン)等があります。
私は、当初レルパックスを処方していただいていました。保険適用で10錠3000円ほどです。高いです。のちに後発品ができたので、いまはそちらに切り替えて、お値段は半分くらいになりました。それでも安くはありませんが、効き目について信頼できる薬があるということはありがたいことだと思います。

 

副作用について

中枢神経系(めまい、しびれ、倦怠感、眠気など)
消化器系(悪心、吐き気など)
循環器系(動悸、一過性の血圧上昇など)
胸部圧迫感、のどの締め付け感、後頭部圧迫感、息苦しさ
などが副作用として報告されているそうです。
副作用については、薬局で買える薬の裏側にもびっしり書いてあるので、私はそれほど気にしていませんが、知っておいて損はないと思います。
つらすぎる症状を抑えてくれるのだから、それ以外のところに何かしらの負担がかかるのは当然といえば当然です。多用は避けて、投薬以外の部分でも頭痛を起こさない工夫をすること、睡眠不足にならないようにするとか、バランスのよい食事とか、毎日の生活リズムに気をくばるということもとても大事だと思います。