サイレンの中に音楽が聞こえる

耳に入ってくる音の中には、モーター音やファンの音、サイレンなど、声でも音楽でもないものってたくさんありますよね。私はどうしてなのか、そうした音の向こう側に音楽が聞こえてしまうことがあります。頭がおかしいわけではないと思うんです。たぶん。耳も悪くないほうだと思います。ちっちゃーい音が気になったりするし。

消防車と聖歌

どんな音の中にもどんな時でも聞こえるわけではないんです。一番印象に残っているのは、消防車がかなりの台数で近くの通りを通っていたときでした。最初は、こんなにたくさん、大きな火事なのかなぁ、こわいなぁなんて思っていました。台数が多く、なかなか通りすぎる気配がなくて、いつの間にか消防車のサイレンに混ざってグレゴリオ聖歌みたいな荘厳な音楽が聞こえるような気がしてきたんです。夜のことでしたから、サイレンにも負けない大きな音で聞いてる人がいるのかと、窓を開けてみたら、聖歌は聞こえなくなったんです。気のせいかと思って窓を閉めるとまた聞こえてくる。また開ける、聞こえない。閉めると聞こえる。だんだん消防車たちが遠ざかっていき、聖歌も小さくなって聞こえなくなりました。サイレンを鳴らしている台数が多くて、それぞれの位置が少しずつずれていて、それらを窓を通して聞いたからそんなふうに聞こえたのかなぁとも思います。

 お風呂場とジングルベル

最近では、お風呂場で不完全なクリスマスソングが聞こえることがありました。音の出るものつけてないのになんでだろうと思ってドアをあけてみると、寒さ対策でドアの外においてある小さなファンヒーターの音がするだけ。空耳かと思ってドアを閉めると、クリスマスソングがやっぱり聞こえる。ああ、またかー、と消防車の件を思い出しました。これもやっぱりドアなり窓なり隔てるものがあるんですね。ファンの音を構成してる無数の音がお風呂場のドアを通して聞くと、なんだか知ってる曲みたいに聞こえてしまうんだろうなぁ。たぶん・・・。

 

誰か、納得できるような説明をしてくれる人はいないかなと思うのですが、やばい人扱いされたくなくて誰にも聞けないでいます。